伊賀（三重）で詠んだ句

冬の句・無季の句

年代 発句 季語 季節 場所
寛文6年（1666）
霰（あられ）まじる帷子雪（かたびらゆき）はこもんかな
 霰 冬 伊賀上野
天和4年（1684）
いかめしき音（おと）や霰（あられ）の檜木笠（ひのきがさ）
 霰 冬 桑名市多度
元禄2年（1689）
いざ子（こ）ども走（はしり）ありかむ玉霰（たまあられ）
 玉霰 冬 伊賀上野
友田角左衛門
（良品）宅
元禄3年（1690）
きりぎりすわすれ音（ね）になくこたつ哉（かな）
 こたつ 冬 伊賀上野
松本長右衛門
（氷固）宅
天和4年（1684）
あそび来（き）ぬ鰒釣（ふくつり）かねて七里迄（しちりまで）
 鰒 冬 桑名市
天和4年（1684）
宮守（みやもり）よわが名（な）をちらせ木葉川（このはがは）
 木葉 冬 桑名市多度
寛文6年（1666）
霜枯（しもがれ）に咲（さく）は辛気（しんき）の花野哉（はなのかな）
 霜枯 冬 伊賀上野
元禄2年（1689）
冬庭（ふゆには）や月（つき）もいとなるむしの吟（ぎん）
 冬庭 冬 伊賀上野
元禄2年（1689）
初（はつ）しぐれ猿（さる）も小蓑（こみの）をほしげ也（なり）
 初しぐれ 冬 伊勢から伊賀へ帰る山中
元禄2年（1689）
人々（ひとびと）をしぐれよやどは寒（さむ）くとも
 しぐれ 冬 伊賀上野
杉野勘兵衛
（配力）宅
元禄3年（1690）
しぐるるや田（た）の新株（あらかぶ）の黒（くろ）むほど
 しぐれ 冬 伊賀上野
寛文6年（1666）
月（つき）の鏡（かがみ）小春（こはる）にみるや目正月（めしやうぐわつ）
 小春 冬 伊賀上野
天和4年（1684）
年暮（としくれ）ぬ笠（かさ）きて草鞋（わらぢ）はきながら
 年暮 冬 伊賀上野
貞享4年（1687）
旧里（ふるさと）や臍（へそ）の緒（を）に泣（なく）としの暮（くれ）
 としの暮 冬 伊賀上野
寛文6年（1666）
時雨（しぐれ）をやもどかしがりて松（まつ）の雪（ゆき）
 雪 冬 伊賀上野
寛文6年（1666）
しほれふすや世（よ）はさかさまの雪（ゆき）の竹（たけ）
 雪 冬 伊賀上野
寛文8年（1668）
波（なみ）の花（はな）と雪（ゆき）もや水（みづ）にかえり花（ばな）
 雪 冬 伊賀上野
元禄2年（1689）
雪（ゆき）の中（うち）に兎（うさぎ）の皮（かは）の髭作（ひげつく）れ
 雪の中 冬 伊賀上野
天和4年（1684）
冬牡丹（ふゆぼたん）千鳥（ちどり）よ雪（ゆき）のほととぎす
 冬牡丹 冬 桑名市北寺町
貞享4年（1687）
歩行（かち）ならば杖（つゑ）つき坂（ざか）を落馬哉（らくばかな）
 なし 無季 四日市市采女町