伊賀(三重)で詠んだ句

春の句

年代 発句 季語 季節 場所
貞享5年(1688)
枯芝かれしばやややかげろふの一二寸いちにすん
かげろふ 伊賀
貞享5年(1688)
丈六ぢやうろくにかげろふたかいしうへ
かげろふ 伊賀市
新大仏寺
元禄3年(1690)
かげろふや柴胡さいこいと薄曇うすぐもり
かげろふ 伊賀上野
元禄3年(1690)
春雨はるさめやふたにもゆる茄子種なすびだね
春雨 伊賀上野
元禄4年(1691)
不性ぶしやうさやかきおこされしはるあめ
春の雨 伊賀上野
松尾半左衛門宅
元禄3年(1690)
畑打はたけうつおとやあらしのさくらあさ
畑打 伊賀上野
白髭神社
元禄3年(1690)
へびくふとけばおそろしきじこゑ
 
元禄3年(1690)
てふの幾度いくたびゆるへいのやね
てふ 伊賀上野
原田覚右衛門
(乍木)宅
元禄3年(1690)
うぐひすのかさおとしたる椿哉つばきかな
椿 伊賀上野
西島八兵衛
(百歳)邸
寛文7年(1667)
風吹かぜふけぼそうなるや犬桜いぬざくら
犬桜 伊賀上野
寛文7年(1667)
はなかほはれうてしてや朧月おぼろづき
朧月 伊賀上野
貞享5年(1688)
ものまづとふあしのわかかな
蘆のわか葉 伊勢市
貞享5年(1688)
いもうゑかどむぐらのわかかな
葎のわか葉 伊勢市
貞享5年(1688)
此山このやまのかなしさつげ野老掘ところほり
野老掘 伊勢市
菩提山神宮寺
貞享5年(1688)
二日ふつかにもぬかりはせじなはなはる
花の春 伊賀上野
寛文11年(1671)
春立はるたつとわらはもしるやかざりなは
春立
かざり縄
伊賀上野
貞享5年(1688)
はるたちてまだ九日ここのか野山のやまかな
春たち 伊賀上野
小川次郎兵衛
(風麦)宅
元禄3年(1690)
種芋たねいもはなのさかりにりありく
種芋 伊賀上野
天和4年(1684)
あけぼのやしらうをしろきこと一寸いつすん
しら魚 桑名市
寛文7年(1667)
さかりなるうめにす手引でひくかぜがな
伊賀上野
貞享2年(1685)
たびがらす古巣ふるすはむめになりにけり
むめ 伊賀上野
貞享5年(1688)
あこくそのこころもしらずうめはな
梅の花 伊賀上野
貞享5年(1688)
手鼻てばなかむおとさへうめのさかりかな
伊賀
貞享5年(1688)
ににほへうにほるおかうめのはな
梅のはな 伊賀上野
貞享5年(1688)
うめなほやどりうめはな
梅の花 伊勢市
網代民部雪堂邸
貞享5年(1688)
のうれんの奥物おくものぶかしきたうめ
伊勢市
園女宅
貞享5年(1688)
御子良子おこらごひともとゆかうめはな
梅の花 伊勢市
伊勢神宮
元禄4年(1691)
やまざとはまんざいおそうめはな
梅のはな 伊賀上野
藤堂長定
(橋木)邸
元禄4年(1691)
月待つきまちうめかたげゆく小山伏こやまぶし
伊賀上野
貝増市兵衛
(卓袋)宅
貞享5年(1688)
はだかにはまだ衣更着きさらぎのあらしかな
衣更着 伊勢市
貞享5年(1688)
神垣かみがきやおもひもかけず涅槃像ねはんざう
涅槃像 伊勢市
伊勢神宮
貞享5年(1688)
さかづきどろおとしそむらつばめ
伊勢市楠部町
元禄3年(1690)
このたねとおもひこなさじとうがらし
たね 伊賀上野
寛文7年(1667)
あち東風こち面々めんめんさばき柳髪やなぎがみ
伊賀上野
寛文7年(1667)
餅雪もちゆきをしらいととなす柳哉やなぎかな
伊賀上野
貞享5年(1688)
初桜はつざくらをりしもけふは能日よきひなり
初桜 伊賀上野
元禄7年(1694)
かほぬほついでよはつざくら
はつ桜 伊賀上野
寛文4年(1664)
姥桜うばざくらさくや老後らうごおもいで
姥桜 伊賀上野
寛文6年(1666)
きやう九万くまん九千くせんくんじゆの花見哉はなみかな
花見 伊賀上野
元禄3年(1690)
あはしやまめめしにさくらがり
さくら狩 伊賀上野
寛文7年(1667)
はなにあかぬなげきやこちのうたぶくろ
伊賀上野
寛文7年(1667)
春風はるかぜわらはながな
伊賀上野
寛文7年(1667)
なつちかし其口そのくちたばへはなかぜ
花の風 伊賀上野
寛文7年(1667)
糸桜いとざくらこやかへるさのあしもつれ
糸桜 伊賀上野
寛文11年(1671)
きてもみよじんべが羽織はおりはなごろも
花ごろも 伊賀上野
寛文年間
はなにいやよ世間口せけんぐちよりかぜのくち
伊賀上野
寛文年間
ううことのごとくせよ児桜ちござくら
児桜 伊賀上野
貞享5年(1688)
かみぎぬのぬるともをらんあめはな
伊勢市
久保倉右近
(路草)宅
貞享5年(1688)
なにはなとはしらず匂哉にほひかな
伊勢市
伊勢神宮
貞享5年(1688)
さまざまのことおもひさくらかな
伊賀上野
藤堂良長
(探丸)別邸
貞享5年(1688)
はなをやどにはじめをはりやはつかほど
伊賀上野
瓢竹庵
貞享5年(1688)
このほどをはなれいいふわかれかな
伊賀上野
元禄3年(1690)
のもとにしるなますさくらかな
伊賀上野
小川次郎兵衛
(風麦)宅
元禄3年(1690)
土手どてまつはな木深こぶか殿造とのづく
伊賀上野
藤堂長定
(橋木)邸
元禄3年(1690)
一里ひとさとはみな花守はなもり子孫しそんかや
花守 伊賀上野
元禄4年(1691)
のみあけて花生はないけにせん二升樽にしようだる
伊賀上野
元禄4年(1691)
としどしやさくらをこやすはなのちり
花のちり 伊賀上野
寛文6年(1666)
はなしづめにもみえけり鬼薊おにあざみ
鬼薊 伊賀上野
元禄4年(1691)
山吹やまぶきかささすべきえだ
山吹 伊賀上野
松尾半左衛門宅